アクアコミュニケーターの知恵
地域の水循環のはなし | Story of the water cycle in the region
地球の水はぐるぐるめぐる
地球の水は、空、陸、海をめぐる。
目には見えないが、ぐるぐるめぐる。
休むことなくめぐる。
この目に見えないぐるぐるによって多くのいのちが育まれる。
海、川、湖、沼などの水は、絶えず蒸発する。
蒸発した水は水蒸気となり、空高くのぼっていく。
立ちのぼった水蒸気は、気温の低いところまでいくと、とても小さな水や氷のつぶとなる。
これが集まったものが雲だ。
小さな水や氷のつぶはくっつきあってさらに大きなつぶとなる。
大きなつぶはその重みで落下し、雨や雪となって地上におりてくる。

雨の多くは、海へ降る。
残りは、陸に降る。
陸に降った雨の、一部は地面にしみこんで地下水となる。
地表の近くの地下水はわき出して川になる。
地面にしみこまなかった水も、地表を流れて川になる。
川はやがて海へ出る。
海へ流れでた水は、ふたたび蒸発する。
こうしてくりかえされるぐるぐるを、水の循環という。
水の循環は、海水を淡水(真水)にかえている。
もし水の循環がおこなわれないと、淡水はすぐになくなり、陸上にすむ人間や生きものは生きていくことができない。
わたしたちがふだん使っている水は、すべて循環のなかにある。
たとえば、水道から出てくる水も、そう。
地下水や川の水は取水口から浄水場にとりいれられ、浄水場で安全な水がつくられる。
その後、水道管を通してわたしたちのもとへ水がとどけられる。
使ったあとの水も循環のなかにある。
家庭の排水口から出た水は下水処理場をへて、川から海へと流れていく。
気候変動などがおきると、ぐるぐるは変化する。
水の蒸発量が変化すると、降水量にも変化がおき、わたしたちのくらしにも大きな影響がでる可能性がある。
出典『水と人びとのくらし』(橋本淳司著・文研出版)より