アクアコミュニケーターの知恵
水と人々の健康のはなし | Story of people's health and water
水と衛生と教育が必要
世界の半分以上の人たちは水道をもっていない。
水道がなくても安全な地下水や雨水が利用できればよいが、それもかなわないことがある。
顔や体が洗えない、衣服の洗濯ができないなどの理由で衛生状態が保てなくなると、眼病や皮膚病、ノミ・シラミなどが媒介する病気が蔓延する。
それを防ぎ、最低限の衛生的な生活をするためには、少なく見積もっても1日に1人当たり20リットルの水が必要だ。
もう1つ必要なものがある。
衛生を保つためのトイレだ。
世界の約26億人が衛生的なトイレを使用できない。
浄化槽や洗浄設備のない、排泄物や汚水に接触するおそれのあるトイレを日常的に使っている。
トイレがないため、排泄物がそのまま自分たちが使う川に流れ込んでいるところもある。
すると水系感染症という水に起因する病気が広がる。
水系感染症には、
コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、大腸菌下痢症など細菌が原因のもの、
ポリオ、ロタウイルスなどウイルスが原因のもの、
赤痢アメーバ症など原虫が原因のものがある。
安全な水がないことと、基礎的な衛生環境がないことによって、毎年約200万人の子どもたちが亡くなっている。
状況を改善するには、3つのものが必要だ。
- 安全な水をもたらす方法
- 衛生を保つための方法
- 衛生的な習慣を身につける方法
つまり、水と衛生と教育が必要だ。
教育や情報にふれる機会が少ない生活をしている人たちに、衛生習慣を広めるのは容易なことではなく、多くの人の支援が必要とされている。