ミネラルウォーターには基準がある

 

 ヨーロッパではミネラルウォーターについて、水のわきでている場所の自然が保護されている、水の中に生態系がある、ミネラル分が豊富である、この3点が重要視されています。これは、EUの統一基準によって厳格に管理されています。

 水の性質はわき出る環境によって決まります。地層が雨水をミネラルウォーターに変えていくわけですから、その地層が保全されていなければならないわけです。

 フランス産ミネラルウォーター「エヴィアン」はアルプスに降り積もった雪解け水や雨水が数十年の歳月をかけて大地に浸透し、泉に湧き出たものですが、泉の周囲10キロ四方を自然保護区として、工場、住宅の建設は禁止されていますし、周辺の農家は農薬の使用を禁じられています。

 また、水の中の生態系を守るために殺菌しません。

 もともと殺菌する必要のある水源はミネラル・ウォーターの水源として認められないのですが、地下水の中にもごく微量の細菌がいて、水のなかの生態系を確立しています。そこに外部から大腸菌などが入ってくると、拮抗作用によって、もともといる菌に排除されてしまいます。

 ところが殺菌してしまうと、生態系を確立していた菌も死んでしまうので、拮抗作用も起こりません。そうなると外から入ってくる雑菌にあっという間に占領されてしまうのです。

 また、人体の健康に有益なミネラル分を一定量保持し、なおかつミネラルバランスがよいことが定められています。カルシウム、マグネシウムが大量に含まれているミネラルウォーターは、飲みつけないとけっしておいしいとはいえませんが、1日に必要なミネラル分を効果的に摂取できるのです。コントレックスやサンペレグリノ、ビッテルなどには大量のマグネシウム、カルシウムが含有されています。

 一方、日本のミネラルウォーターは、最低でもろ過や加熱による殺菌を行なっていますので、ヨーロッパのナチュラル・ミネラル・ウォーターには該当しません。現在は農水省の定めたガイドラインによって、日本独自の基準を設けていますが、近々、ヨーロッパの基準をベースにした、世界の統一規格が定められるようです。

 そうなると現在のように瓶詰めになっている水すべてを「ミネラルウォーター」と呼ぶことはなくなるでしょう。

 これからミネラルウォーターを選ぶときには、成分と同時に処理方法もチェックする必要があるのです。