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 【募集】「おいしくて安全」「低コスト」「省エネ」の水道を使いたい人
 

 「おいしくて安全」「低コスト」「省エネ」の水道を使いたい人って、
どのくらいいるのでしょうか?
そういう人がいたら、メールをいただけるとうれしいですねぇ。

 でも、「いきなり、そんなことを聞かれても、何のことかわからない???」
という人がほとんどだと思うので、これから、なんでそんなことを考えたのかを、
話してみたいと思います。

 きっかけは電気です。
 福島原発の事故は、電気の便利さと怖さを教えてくれました。
社会が電気をつかって便利になればなるほど、たくさんの電気をつくる発電所が必要
になっていったわけです。

 それでいまの生活を維持するためには、どうしても原発が必要だと言う人がいます。

 だったら、生活にかかっている電気の使い方を見直して、電気の使用量が減れば、
原発に頼らない生活もできるのかなと、ちょっと単純ではありますが、考えてみまし
た。

 そこで水道のことを考えました。
 水道はたくさんの電気をつかってます。ポンプで水を導いたり、浄水処理をする過
程で、1年間に約150億キロワット時
(上水道・約79億キロワット時、下水道・約71億キロワット時)
のエネルギーが消費されています。

 これがどのくらいのエネルギー量かというと、発電量が100億キロワット時の原発な
ら、1つ半必要です。水道は、自治体施設の電力消費量の3〜4割を占めています。
そして節電のしようがないんですね。固定的にかかりますから。

 でも、水道に関する電力量を減らすことはできるんです。
方法は3つあります。

(1)ポンプで導水している距離を短くする

   現在は、低地の水源から高地の浄水場へ導水したり、遠方のダムから導水した
  りと「低・遠」の水源を利用している水道が多い。
  そこで「低・遠」の水源を「高・近」の水源に変えます。

   たとえば山の伏流水、地域内の地下水を利用します。
  地下水は放射性物質などの影響を受けにくいという面もあります。
  高低差を活かして水を運べば導水の電力は不要だし、近場の水なら最小限の電力
  ですみます。これで大幅な電力の削減ができます。

(2)浄水方法=生物浄化法(緩速ろ過)の採用

   水道技術研究センターが「水道における電力使用量」について調べています。
   http://bit.ly/foNekF
   これによる(1)のポンプの問題さえなければ、電力消費量は少ない順に、
  「消毒」→「緩速ろ過」→「急速ろ過」となっています。
  そこで浄水方式は生物浄化法(緩速ろ過)にします。生物浄化法(緩速ろ過)は、
  ろ過層の表面に棲んでいる微生物の働きで浄水します。生物群集が活躍する砂層
  の厚みは数センチで、水がここを通過する時間は数分。急速ろ過と比べても水の
  供給量は劣りません。生物浄化法(緩速ろ過)の優れた点は3つあります。

  <低コスト・省エネルギー>
   多くの浄水場が採用する急速ろ過法は、さまざな処理過程で薬剤と電力が必要
  です。大都市が採用する高度浄水処理では「オゾン処理」の電力も加わります。
  生物浄化法(緩速ろ過)では、電気や塩素以外の薬剤を必要としません。

  <シンプルな構造なので壊れにくい>
   東北関東大震災直後も生物浄化法(緩速ろ過)の浄水場は、シンプルな構造ゆ
  えに地震に耐え、各地で安全な水をつくる役割を果たしました。電気や塩素以外
  の薬剤を必要としないため、過酷な状況でも平常機能を失いませんでした。

  <安定的に安全な水がつくれる>
   緩速ろ過法が急速ろ過法へと移行した経緯は、水需要の急速な伸びや維持管理
  の自動化など合理的な面もあります。
   しかし、一方でカビ臭問題、クリプト原虫の汚染問題、トリハロメタン生成問
  題などは急速ろ過法の技術的な「穴」で、緩速ろ過法であれば問題は生じません
  でした。
   これらの問題に技術力で対処すべく、活性炭投入、膜処理、オゾン処理等度
  重なるアップデートを繰り返したために、設備投資や消耗品の経費がかさみ、
  水道事業の財政を圧迫させました。
   もっと詳しく知りたい方は、竹内準一氏らによる
   「自然微生物群集を用いた緩速ろ過方式浄水場の環境持続性」
    http://bit.ly/igTBYK
   という論文があるので読んでください。

(3)下水処理法=散水ろ床法の採用

   次に下水道です。
   現在の主流の下水処理法である活性汚泥法は、エアレーションやポンプ稼働
  に大量の電力が使われていますが、散水ろ床法ならコストダウンが図れます。
   天然石を詰めたろ層に廃水を均一に散水すると、ろ層を通過する過程で石の
  表面に付着している生物群集によって処理されます。

   散水ろ床の優れた点は主に4つあります。
   ・汚泥の発生量が少ない。
    活性汚泥法より自然に近い状態を再現することで、食物連鎖のピラミッド
    が形成され、結果として汚泥発生が少なくなる。
   ・単位面積当たりの処理量が上がるので、施設の設置面積が少なくてすむ。
   ・安定した処理が可能。
   ・イニシャルコストは活性汚泥法より高いが、ランニングコストを含めた比
    較では6、7年で活性汚泥法を下回る。

   散水ろ床法は「昔の技術」と考えられていますが、実際には、コストや衛生
  面で厳しい食品工場などの廃水処理施設として現在も稼働しています。
   そうしたところでは、ハエや悪臭の問題もなく一般的な活性汚泥処理より優
  れた処理が行われているので、再度検討してみるとよいでしょう。


 地震を通して考えたことですが、自分たちでつかうエネルギーや水は、どうやって
確保し、どうやって維持していくのかということを、ある程度、自分たちで責任をも
たなくてはならないということです。

 昔はそんなことは当たり前だったのに、いつのまにか電気も水もお金を払って、
サービスを受けるだけになってしまった。人任せにしすぎていたのではないかなと思
うんですね。

 そうすると任されたほうは、大規模施設で集中的に電気や水をつくり、効率よく処
理して、利益を上げようとします。それは商売の基本ではあるのですが、利益を上げ
ることを優先させると、市民にとっては何が大切なのかを忘れることがあります。

 ここで提案する水道は、
小さなコミュニティーが、安全・低コスト・省エネの水を確保するための方法です。

 この方法は、
市民が声をあげ、首長さんが決定すれば、実現します。
もしそういう市民の方や首長さんがいたら、僕はまじめに応援したいと思いますので、
ご連絡ください。

2011年4月20日
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