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★屋根に降った雨量はダム1つ分
恵みの雨を最大限に活用しようという動きが広がっています。
雨水利用先進地の東京都墨田区を歩くと、民家の庭に、ドラムくらいの大きさのタンクが備え付けられているのを見かけます。屋根に降った雨水を、雨どいから導き、それをタンク(雨水タンク)にためるのです。
東京では、水源のほとんどを150キロも離れた上流のダムに頼っています。
これまで大都市の水行政は、水が足りなくなったら、上流にダムをつくればいいという考え方でした。
しかし、巨大ダムの開発は、自然環境を破壊し、そこに暮らす人々の故郷を奪い、膨大な建設費用、維持管理費用がかかります。
それぞれの家が雨水をためれば、無数のミニダムを都市におくことになります。
かりに東京都内のすべての一戸建て住宅が屋根に降った雨をためたとすると、1億3500万トンの水が確保でき、これは利根川水系の八木沢ダムが東京都に供給している水量を上回ります。
雨水タンクの水は生活用水に使います。
最初の2ミリの降雨は、大気中の汚染物質などが含まれているので流してしまいますが、降り出して5分後には、トイレなどに使えるきれいな雨水が集まります。
洗濯用としてもおすすめです。雨水は電気の通りやすさを示す「導電率」が水道水より低く、少ない洗剤量で、洗濯物の汚れが落ちます。
大震災などで水道管が破裂し水が出なくなっても、初期消火やトイレの流し水に使えます。煮沸、ろ過すれば、緊急用飲料水にもなります。
雨水タンクは一般的な250リットル用で6万円程度です。降雨5分後のきれいな雨水を自動的に集める装置をそなえたものもあります。
6万円というと「高い」と感じるかもしれません。ですが上手に雨水を使うと、年間1万円程度の水道代の節約ができるので、6年で元はとれます。また雨水利用の助成金制度のある自治体もあります。
★災害防止や地下水涵養にも
雨水利用には災害防止という目的もあります。
雨水はすぐ使うのではなく、地下に浸透させてもよいのです。
千葉県市川市では、雨水浸透設備を設置した建物が1000件を突破しました。雨水浸透設備とは、屋根に降った雨を集めて地中に染み込ませる施設です。
都市部では地面がアスファルトで覆われている部分が多く、集中豪雨があると地中に雨水が浸透しません。雨はそのまま川に流入し、水量が一気に増大するため、都市型水害の発生につながっています。
雨水タンクや雨水浸透設備を設置すれば、小さな治水ダムとして機能し、洪水を防止します。雨水浸透設備はもちろん地下水の保全にも役立ちます。
雨水利用の動きは諸外国では活発になっています。
ドイツでは、洗濯・トイレ用に雨水タンクをつける家庭が年5万戸の割合で増えています。
それにくらべると日本はまだまだこれから。
そのためにも、雨水利用を促進する社会的なしくみをつくるべきでしょう。たとえば、洗濯やトイレなどに使った雨水を下水に流しても、下水道料金を上乗せしなければ、雨水利用を促進することができます。 |